柏の塾、プラス進研より受験情報ブログ

柏市周辺の高校受験情報を中心にお届けします。

「定期テストの成績UP=学力向上」か?

答えはNo!です。

定期テストの点数や順位に執着する考え方こそが、学力の低下を招いています。

 

PISA調査で読解力が低下していると公表されましたが、 その他の項目「数学的リテラシー」と「科学的リテラシー」においても順位を下げました。

つまり、大学入試改革、教育改革と言っていますが、学力が伸びるどころか、低下しているのです。

 

よく、塾のチラシで「定期試験の点数『〇〇点UP』」といったキャチコピーを目にしますが、 私は内心、『またやってしまったったな…』と思っています。 なぜなら、「学力向上」を目指すべき塾が、「学力」の本質を見失うような指導を当然のごとく行い、 それがあたかも正義とでも言わんばかりに、宣伝に利用しているわけですから。 定期試験の得点を伸ばす指導では、これからの社会で必要な「考える力」は育てることは難しいでしょう。 逆に、マニュアル通りにロボットのごとく作業する人が世の中にあふれてしまうかもしれません。

 

 

それはなぜか? 考えなくても大人が示した答えを覚えておけば良いからです。 それだけで得点は大きく変わります。これが定期テストです。 ですから私は、定期テストを「短期型記憶力確認テスト」と考えています。

 

 

では、高校入試で問われる力は何か?

 

ズバリ、「与えられた情報を基に考えて使いこなす力」です。これを一言で「考える力」と言っています。 私たちはこの力を伸ばすことを第一として、授業はもちろん、学習姿勢に至るまで指導を行っています。 (もちろん、定期テストの点数が良いに越したことはないですが、それを追いかけることは致しません)

 

以前、当塾に通うJくんが、大手塾に通うKくんを連れてきました。自習室を借りたいとのことでした。 断る理由も特にありませんから、受験まで自習室を使わせていました。 定期テストの成績は「Jくん<Kくん」で、通知票の成績もKくんが上回って(3年間合計で10ポイント弱)いました。 Kくんは塾に通うようになって、定期テストの点数が一気に伸びたのだそうです。

さすが、定期テスト対策に定評のある塾に通っているだけあります。 Jくんは塾のテスト成績は伸びても、定期テストの得点はほぼ横ばいでしたから、Kくんをすごいと思っていました。

ところが、入試を想定した模擬テストを受けると、Jくんが逆転し、5教科で30点ほどの差になりました。

さぁ、入試で成功するのはどちらでしょう?

 

千葉県の公立高校入試は現中学2年生から受験機会が1回になります。 大きな変化ではありますが、選抜方法は現在の前期選抜に近いものとなる予定ですので、 学校により特色はあるでしょうが、大方、学力重視に変わりはありません。

入試における学力検査と内申点の扱いについて整理しますと、

学力検査は5教科500点満点、内申点は9教科5段階3年間で135点満点です。 単純に足し算すると、「学力500点」+「内申135点」=「合計635点」満点となります。

学力検査の占める割合は78%ですので、学力重視ということがよくわかります。

 

そこで、先ほどのJくんとKくんが入試でどうなるかを考えてみましょう。

Jくん:学力検査400点+内申点100点=500点 Kくん:学力検査370点+内申点109点=479点

どちらが受験に強いか、一目瞭然ですね。

この話をしたときに、Kくんが非常に悔しがっていたのが印象的です。 定期テスト対策流の学習方法しか知らないので、学力が伸び悩んでしまったのです。もったいないことです。 塾では「これをやれば点数がとれる」と、なんでも与えてくれるそうです。待っていれば次の指示が飛んできます。 Jくんは、はじめは羨ましがっていました。

いつも「課題を自分で考えて見つけてから相談しなさい」と言われ続けていましたから、

「これをやれば…」と与えてもらえるなんて、とても幸福な受験生に見えたのでしょう。

 

ですが、学力検査で試される「学力」の本質は「試行錯誤を繰り返しながら、『考えるクセ』をつけることで高まる」 ことがわかったわけですから、最終的にはJくんが幸福な受験生だったと言ってくれました。

 

本当の意味での「成績アップ」とは、「考える力」がどれだけ伸びたかで測られるものなのです。

 

塾を選ぶときは、目の前の定期テストで点数を取りたいのか、受験まで見据えた学習をしたいのか、

明確な目的をもって、目的に合った塾選びをすることが望ましいと言えます。