今週の週刊朝日(2020年11月6日号)の特集記事に、
「東大合格者が語る『勉強の勘所をつかんだきっかけ』とその共通点」
というものがあり、とても共感できたので紹介します。
以下引用 週刊朝日(2020年11月6日号)
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「テスト何点だった?」 「俺は90点。お前は?」 「負けた!」
早稲田アカデミーで、東大を目指す高校生が集まるクラスでの一コマだ。テスト返却のたびにこんな光景が見られる。「東大必勝コース」副責任者の古居美香さんは言う。
「テストの結果を言いたくない生徒は多いのですが、東大を目指す層でそうした生徒は少ない。逆に楽しそうに話します。点数が低いことで劣等感を抱くのではなく、『お前すごいな、俺も頑張ろう』と考える生徒が多い。勉強から楽しみを見いだすのが得意です」
受験テクニックも重要だが、より本質的に大切なのは学びへの意欲だ。
「東大に合格する人の共通点は、自分から幅広く学ぶこと。東大入試に求められる思考力の基礎があります。こうした生徒は、私立の中高一貫校に通っていなくても、合格するチャンスは十分にあります」(古居さん)
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これ、非常に重要なことだと思うのです。
正直、地域密着の個人塾では、東大に合格するような奇才天才に巡り合うことは少ないですが、
成績が大きく伸びる子どもに共通していることは、「競争心」があって、そこにつまらないプライドがないことです。
競争相手がより高い点数であったときに、相手を称えて「次こそは自分も」と考えられることは大切です。
また、相手のミスで自分が勝ったとしても、そこに満足することなく、謙虚に努力できることも重要です。
このように考えているので、プラス進研の授業では、確認テストの点数は生徒自らが「口頭申告」するスタイルを貫いています。
そこから自分が何を学び、次にどうするか、自ら考え行動できるようになる生徒は、やはり飛躍的に成績が上がっていますし、
高校進学後も順調に成績を伸ばして、難関大学に進学していく生徒を数多く見てきました。
記事の通り、公立中学からでも難関大学を目指せるような学習の基礎を築くことは可能なのです。
以下引用 週刊朝日(2020年11月6日号)
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東大合格者の学びのきっかけはどういったものなのか。
今年、東大理科二類(理二)に合格した西村有紗さんはこう話す。
「勉強が楽しくて、小4のころには勉強の習慣ができていました」
教材を買って自分でまとめのノートを作り、暗記した。テストでも良い成績が出て、さらに勉強するサイクルができた。母親はこう振り返る。
「幼いころから机に向かう習慣がありました」
幼稚園のころから迷路や線つなぎといった教材に関心を持ち、机に向かって取り組んでいた。
「一度やり方を教えたら、何も言わずに自由にやらせました。口を出しても怒るだけですから(笑)。運動はあまり好きではなく、無理して公園に連れていくことはしませんでした。やりたいことが勉強だったのは大きいです」
好きな科目から勉強のきっかけをつかんだ人もいる。東大文科三類(文三)に合格した荒木涼花さんだ。得意科目は日本史。暗記するのではなく、なぜその制度ができたのかなど考えることが好きだという。
この学びの視点に気づかせてくれたのは、小6時の塾の先生だ。知識だけではなく、歴史の流れやエピソードを多く話してくれた。受験に出ないことでもおもしろかった。
中学に入ってからは歴史上の人物をテーマにした岩波新書などを読みあさった。歴史の過程に目を向けながら学ぶ姿勢を身につけることができた。
「この視点は日本史以外でも役に立ちました。例えば、東大の数学では公式がなぜそうなるのか理解していないと、どの公式を使って解いたらいいか判別できなくなります。自然となぜそうなるのか考える力がついていました」(荒木さん)
スポーツのように勉強を楽しむ人もいる。東大理一に合格したKさん(女性)は言う。
「勉強は、“がり勉”と揶揄(やゆ)されるものではありません」
勉強は過酷だ。苦手科目からは目を背けたくなるし、相手だけでなく自分との闘いでもある。
「優秀な人はなぜ間違えたかが言える。私は何が苦手なのか手帳に書くことで、客観的に捉えることができました。弱点を把握して勉強の計画を立て、苦手なものができるようになったときの達成感は大きかったです」
勉強での競争は楽しみでもあった。小4のときの塾の先生は冗談でクラスを和ませながら、生徒に競争をさせていた。
「自分から学ぶようになりました。友達と問題を出し合い、楽しみながら競い合いました」
高3時には、塾でどんなに努力しても勝てない友人に出会った。そこで勉強法をまねて、スマホアプリでの暗記を実践。講師から演習問題をたくさんもらう姿を見て、自分も同じようにした。
「良いところは吸収しようと思いました。あと、自分の得意な数学だけは勝とうと思い、必死に頑張りました。自分の土俵をわきまえて、そこでは負けまいと」
勉強が特に好きではない人もいる。東大文二に合格した大尾嘉陸仁さんはその一人だ。高3時、部活を8月までやった後に東大を目指した。勉強だけでなく、遊びも部活も両立する意識を持ってきた。
勉強法は効率的だ。長くても3時間まで。集中力が切れたら、散歩や昼寝でリフレッシュ。入試直前には自信のある英語と数学はあまり勉強せず、苦手な古典と社会に時間を費やしたという。
「勉強の計画は立てず、その日の気分で『日本史をやりたい』と思えば、それを集中してやりました。苦手科目は模試の結果から自分の実力がわかっていたので、合格者平均まで高めようと考えました。最低限の点数を取って合格したと思います」
大尾嘉さんは、こうも言う。
「高校受験で勉強の勘所をつかみました」
中学は公立校で野球に打ち込み、勉強の成績は平均より少し上。しかし、引退後、夏休みは1日12時間以上、2学期以降も夜10時まで勉強した。
「塾にとても熱く厳しい先生がいました。成績が伸びたとき、面談室で『やったな』と握手され、もっと実力を伸ばしたいと思いました。そのときの猛勉強のおかげで、力の入れどころ抜きどころ、自分の勉強法がわかったんです」
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続いて、4名の合格体験です。
それぞれにエピソードがありますが、共通していることは「自発的な学習姿勢」です。
きっかけは人それぞれと思いますが、最終的には人に言われて動くのではなく、
「自分の意志」で学習した成果が、東大合格という成功体験に結びついていると思います。
そして、その「自分の意志」で継続して学ぶための工夫を怠らなかった成果とも言えるのではないでしょうか。
また、勉強のコツもいくつか紹介されていて、これは大事だと思ったものを列挙すると、
〇暗記するのではなく、なぜその制度ができたのかなど考える
子どもたちにもよく話すことですが、学校や塾の先生が黒板に書かないことでも重要なことがたくさんあります。
特に、「なぜ」の部分は、教科書にも書かれていないこともが多いうえ、板書として細かく書ききれないために、口頭の説明になることも。
だから、気になった言葉や内容は、ノートの端にでもサッとメモする。
こういう姿勢が大切で、内職なんぞ言語道断!
グループ授業と言うのは「授業の受け方・学習姿勢」を学ぶことができるのです。
もちろん、メモしたことは後で調べてみることで、さらに理解が深まります。
ただし、中学生の領域では理解しきれない部分も多いので、深入りのし過ぎには注意しましょう。
〇何が苦手なのか手帳に書くことで、客観的に捉える
〇苦手科目は模試の結果から自分の実力を分析し、合格者平均まで高める
何事も記録に残すことは大切です。
「自分のことは自分が一番わかっている」という思い込みは、「慢心」を生んでしまうこともあります。
何時でも真摯な姿勢で学習し、自分を客観的に見つめることができるというのは、成績向上に必要不可欠です。
また、前回の記事でも書きましたが、「自分の実力を正確に知る」ことは成功への近道です。
結局は、客観的に自分を見るということなのですが、目標(合格)と現状の自分の位置を把握して、足りない部分を補う努力を重ねていく中で、目標のラインに近づいていくのです。
塾では模試をたくさん受けてもらいますが、模試は成功への道しるべです。無駄にすることなかれ!
〇勉強の計画は立てず、その日の気分でやりたい教科に集中する
これは個人差(計画を立てる、立てないの部分で)があると思います。
計画を立てる、立てないが重要なのではなく、
自分が「最良の勉強法」だと信じて取り組めることが大切で、
全体の共通点にも通じることなのですが、何をやるか「自分の意志」で決めていることがポイントです。
また、メリハリをもって勉強するという姿勢は、大切ですね。
受験生だから休息をしてはいけないのではなく、やると決めたら集中して取り組む。
これができるかどうか、1日単位では僅かな差ですが、半年、1年と積み重なれば…。言わずもがなです。
〇成績上位者の良いところは吸収する
これも子どもたちによく話すことです。
成績が伸び悩んでいる人ほど、周りに無関心なことが多いのは気のせいではないと思います。
時にはそれまでのこだわりから脱却して、柔軟に取り組んでみてはどうでしょう。
成績を伸ばしたければ、まずマネをすることです。成績上位者の。
成績を伸ばしたければ、まず言われたことをやり切ることです。
それができないから、成績が伸び悩んでいるのです。そこに気が付いてほしいのです。
これは、講師にも言えることで、はじめからオリジナルの授業で挑んで撃沈する講師を多く見てきました。
「この先生の授業はわかりやすい!」と言われている講師の授業をマネすればいいのに。
マネをするところからオリジナルが出来上がる。これはどの世界にも通じることではないでしょうか。
ちっとも恥ずかしいことではなく、恥ずかしいと思うことが、私に言わせればつまらないプライドです。
〇高校受験時の猛勉強で、力の入れどころ抜きどころ、勉強の勘所をつかんだ
こういう風に言ってもらえる塾の先生は幸せですね。私なんぞ、まだまだ甘いな・・・。
ただ、1つ言えることは、高校受験は中学生のほぼ全員が経験するということです。
そして高校受験は、多くの中学生にとって、初めて「自分が試される」機会となります。
私は、そこで「本気で取り組める」かどうかというのが、その後の生き方に少なからず影響があると思っているのです。
高校受験を「やりきった」状態、つまり「これでダメなら悔いはない」状態で挑めるかどうか。
それが結果として「合格」でも「不合格」でも、次のステージへ向かうための大きなエネルギーになる
そのように信じているからです。