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明日は千葉県公立高校入試の合格発表

いよいよ明日は千葉県公立高校入試の合格発表です。

 

今年は朝9時から各高校のホームページでWEB発表も行われるようですが、受験生のみなさんはぜひ、高校まで足を運んで、発表の瞬間を味わってもらいたいと思います。

 

 

私がこの仕事を始めて間もない頃は、生徒からの報告を待っていられず、朝9時から生徒が受験した学校を1つずつ回って確認したことを思い出します。

 

たいていの場合、最初に行くのは(受験者がいれば…)東葛飾高校県立船橋高校でしたが、掲示板の前に受験生が群れだって、今か今かと発表のその瞬間を待つ。あの緊張感は、トップ校ということもあるのか独特であったのを覚えています。

 

発表時間直前に、張り出す先生が出てきて、ロール状に丸められた合格者の番号を時間になったら張り出すわけですが、若い番号から順に判明していくので、受験生の群衆の中から「あったー!」とか「キャー!」とか、飛び交います。かと思うと、うつむき加減に群れから離脱する姿も。その姿に胸が張り裂けそうになりますが、”これが高校入試”と講師である自分が強く実感させられていたような気がしていました。

 

 

しかし、情報通信網の発達で、昔は当たり前だった「校内掲示」形式の合格発表は、めっきり少なくなってしまいました。

私立高校の多くがWEB発表になり出して、コロナ禍でその流れに拍車がかかりました。

 

そして、このWEB発表がなんとも味気ない。

合格者の受験番号が一覧になってWEBページに出現する方式はまだマシですが、「受験番号」と「パスワード」を入れると「合否」が画面上に現れるパターン。これは合格発表というよりも、もはや『合否確認』『合否通知(通告)』ではないかと思ってしまいます。

 

私の考えが古典的すぎるのかもしれませんが、合格発表というのは、合格者の受験番号が一覧になって掲出されるものであって、一度に多くの人の目に触れるものである。つまり、広く一般に公表するから「発表」なのではないかと。

自分の結果しか閲覧できない「個人的な情報」として扱うのであれば、合格発表の体は成していないと思ってしまうのですが…。

 

受験番号が一覧で公表(発表)されることで、閲覧者は自分の結果だけでなく、様々な情報を得ることができます。

たとえば、どのくらいの人数が合格したのか、自分の前後左右の人は合格したのか、自分の同志はどうだったか...などがあるでしょう。

そうした情報に同時に触れることで、自身の結果についてもより深い実感が伴ってくる、そして新たな感情が湧きだってくる、これが人の性なのではないでしょうか。

(不合格だとしても、その結果から学ばされることも多く、ここで湧きだつ感情が次のチャレンジへの起爆剤となることもあるので、不本意ながらも一定の価値を見出すことができるのだと思います。)

 

 

こういった、合格発表の瞬間しか味わうことのできない、大切な人生の刹那というものがあるはずで、その刹那を情報通信の発達は奪ってしまったと思えてならないのです。

 

合格者の受験番号が掲出された瞬間、自分の番号を探すひと時、そして合格か否かが判明するその時、それぞれの瞬刻に必ず意味があると思います。自分の合否の実感は、その場に立ち会うことでしか感じることのできない部分があるのではないかと。

 

合格した人は喜びを爆発させるでしょう。しかし、その横には不本意な結果を瞬きもせず見つめる人もいるでしょう。そして互いに存在を自覚することで、そこから湧き出す感情もあるあるでしょう。それらは、その時を必死に生きたことの証でもあり、かけがえのないものだと思わずにいられません。

 

私は、みなさんへ吉報が届くことを祈ることしかできませんが、さまざまな思いが交錯するその瞬間を、ぜひ受験した高校で迎えてほしいと思います。