全国学力テストで7年連続1位の成績をおさめたことのある秋田県。
このことをご存知の方も多いと思いますが、この学力を支えているものは「家庭学習」だと言われています。
平成25年の調査では、秋田県の通塾率は22.9%と全国最低でした。1位の東京都は59.4%ですから、比べてみるとその低さが際立ちますね。
塾に行かなくても学力1位をキープできる…ということは、やはり家庭学習に秘密があると考えてよさそうです。
◆◇「家庭学習」と「宿題」は別物だ ◇◆
“宿題をやれば、それが家庭学習になる”と思っている方が多いかもしれません。
しかし、この認識のズレが大きな落とし穴 なのです。
「家庭学習」における1番のポイントは『学習内容は自分で決める」ことにあります。
対して「宿題」というのは、学校や塾から学習内容を指定されることがほとんどです。
この指定する学習内容は、先生の “ここを重点的に学習してほしい” “来週テストをするから復習してほしい” などの思いが込められています。
違いに気づいていただけたでしょうか。
一番の違いは、子どもたちが『今、自分には何が必要か』を考えて学習するかどうか です。
宿題は自分で学習内容を決められないのに対し、家庭学習は自分で学習することを決める必要があります。
「今日の授業で分からなかったから復習しよう」とか、「毎週月曜日は漢字練習をしよう」などと、自分で学習内容を考える習慣が身についてくるというわけです。
このように、“主体的に学習を決める姿勢が身につく”ということが、家庭学習のすばらしいところと言えるでしょう。
生涯にわたって、学び続けられる人になるためには、自ら課題を見つけて、それについて勉強したり、調べたりしていくことが大切です。
その意味でも、日々の家庭学習への認識を見直してみることが、成績アップへの第一歩かもしれませんね。
◇◆ まずは「読み・書き・計算」などの基礎的なトレーニングから ◆◇
学習内容を決めるときに、“難問に挑戦”するか“基礎基本を固めるか”など、迷うこともあると思います。
ですが、すべての学習の基礎は「読み・書き・計算」なので、これは短時間でも毎日取り組みたいものです。
例えば、ピアノのお稽古で、最初は引っかかりながら弾いていたものを、何度も何度も同じ練習を繰り返して、スムーズに弾けるようになりますね。そこから、情感をつけたり、表現を加えたりという「工夫」ができるようになります。
勉強も同じです。例えば、計算では「わかった」と思って終わりでは、次の日には元に戻ってしまう でしょう。
自分の力で「できた」と実感できるところまで、何度も繰り返し練習することが大切 です。
100点満点をとれるまで、繰り返し練習することを習慣化するためにも、家庭でも計算ミニテストを定期的に実施するとよいでしょう。 “小さな成功体験を積み重ねる” というわけです。
これは書くことや読むことについても同じです。基本となる部分を徹底して身につけていくことで、将来の伸びしろにもつながります。
とにかく、基本的なところからでいいのです。家庭学習の習慣をつくっていけるといいですね。
ちなみに、家庭学習が十分にできる人は、勉強を教わるために塾に通う必要なんてありません!
私は、最終的には、学校の勉強(定期テストで点数をとるためだけ)は、学校と家庭で完結するべきだと考えています。
それは、秋田県の通塾率も物語っているでしょう。
では、 「塾に通う価値」 はどこにあるのか?
「学校の成績を上げる=勉強ができるようになる」ため塾があるというのは迷信 です。
いつのまにかこの迷信が広まってしまったように思います。
「塾に通う価値」これについては、また別の機会でお話ししたいと思います。それでは!