中学生にもなれば、将来就きたい職業などのビジョンを持つ子もいるだろう。
以前、自動車と電機企業の就職に関する大学ランキングを出したけど、トップ企業で活躍したいとか、官僚になりたいとか、医者になりたいとか、夢は様々であってよい。
そして、せっかく早期から大きな夢があるのなら、目標にむかってどうやって生きていくか、高校受験を通して考えていきたいよね。
それを考える時のポイントが「目標から逆算」することだ。
たとえば、ソニーに就職することが目標なら、
東京一工や地方旧帝大か早慶レベルの大学卒業者が多いことは一目瞭然だから、そういう大学に進学することが、大学進学の目標だ。
しかし、すぐに大学進学がある訳ではなく、まず高校に進学することになるので、旧帝大や早慶に進学できる高校を今度は探して、希望の高校を選択するというプロセスだ。
旧帝大や早慶レベルに進学できる高校って、通学できる範囲を考えればそんなに多くはないから、かなり絞られる。
そして、更なる絞り込みを行う時に必要な考え方が「確率論」である。もちろん、「大学進学」だけが高校生活ではないから、行事や部活動など、学習面以外で気になることもあるだろうが、そのレベルの大学に現役、もしくは1浪で進学しようと考えるなら、やっぱり進学できる確率を考えるのが先だと僕は思う。
そこで注目したいのは「大学の現役進学者数」である。
高校見学や説明会、学校案内のパンフなどで紹介される数字は、多くが現役・浪人を含む「延べ合格者数」で「進学者数」ではない。
延べ合格者数というのは、私立大学の場合、複数の学部に併願できるから、1人で2人,3人分の合格数を稼ぐことも可能だ。
しかも、東大に合格・進学したAくんが、早稲田に2つ、慶應に1つ合格していたら、Aくんは1人で延べ合格4人分を稼ぎ出したことになる。
だから、合格者数を見るよりも、「何人進学したか=進学者数」を見る方が、現実的ってことだ。
しかし!
学校側(特に私学)は、人数が小さくなる進学者数よりも、数を大きく見せられる合格者数を見せたいから、進学者数ってあまり表に出てこない。
だから、個別相談とかの機会に突っ込んで聞いてみてほしい。きちんと答えてくれるか、上手にはぐらかされるか、その学校の姿勢も垣間見れておもしろいよ。
ちなみに、「サンデー毎日」では毎年、「現役進学者数」の特集を組んでいて、今年は7月21日.28日号(合併号)だった。これなら、誰でも入手可能だね。
それを見ると...
難関10国立大(東大、京大、北海道、東北、名古屋、大阪、九州、東工、一橋、神戸)の進学者数と早慶の進学者数、そしてその合計と割合はこんな感じだ。
以上が千葉県内で掲載された進学校である。他は掲載されていない。
今回は、人数でランキングせずに、割合で並べてみた。県立船橋の飛躍は凄まじい。中高一貫の渋谷幕張に4%のところまで迫っている!
おひざ元の東葛飾は、難関国立大はちょっと寂しいけど、早慶で少し盛り返したかな。
これを見ればわかるけど、難関10国立大と早慶に30%以上(=3人に1人)が現役で進学できるのってたったの3校。
20%以上(=5人に1人)で見てもたったの7校、10%以上(=10人に1人)まで広げても10校だ。
ちなみに、10%と言うと、高校は普通40人学級だから、クラスで4位以内だ。そのレベルの学生が集まるクラスで4位以内はなかなか難しいよね。
私立にはコースがあったりして複雑だから、そこは各自で調べることとしても、なかなかに狭き門でしょ。だから、確率論って大事なのよ。
充分に参考になる資料だと思うけど、信憑性を高めるには、できることなら3年分くらい集めたいよね。
まぁ、僕みたいにデータ収集大好きでないと大変だと思うけども。
まだ子どもが中学1年生なら3年分集められるのか。小5なら5年分......。
ふむ、夢や目標を早く見つけるというのは、それだけのアドバンテージを得られるということか。