県立船橋高校のホームページには、最近3年間の進学状況が掲載されている。
最近は現役進学実績の詳細をしっかり出してくれる公立高校が増えてきたけど、船橋高校については、かなり前から出してくれていた。
情報の公開に前向きな高校なのだろう。
念のため書いておくけど、「現役進学実績」と「現役合格実績」は違う。
合格実績(=合格者数)は、基本的に「延べ人数」で公表されているから、私大については、1人で5つの大学(学部・学科)に合格すれば、1人で5名分を稼ぎ出しているということになる。
しかし、「進学実績」については、「延べ人数」でごまかす(言い方は悪いけど)ことができないから、どちらかというとこの情報の方が現実的な資料として役に立つという訳だ。
でも、進学者数を公表してくれる高校は公立も私立も意外と少ないんだよね。
特に、3年間で新車が買えるほどの費用がかかる私立に関しては、きちんと公表するのが責任ってもんだろ?と、僕自身は思っているけど、なかなか表には出てこない。
そんな中でも、県立船橋高校については、10年以上前から合格者数も進学者数も極めて詳細に公開してくれている。進学指導重点校に指定されているということもあるかもしれないけど、進学に対する「高校の姿勢」がとても現れる部分だと思う。
さて、本題に入ろう。
今年、東京大学の現役合格者数ではじめて県立千葉高校を抜き、千葉県内の公立高校でトップになったというのはもう既出の話題だけど、他の難関大学への進学状況はどうなんだろう?
というのは、気になる情報ではないだろうか。
そこで、今春まで16年分の進学状況を以下のように表にしてみた。船橋高校から、難関大学への進学状況はこうなっている!(ちょっと細かくて申し訳ない...)
これを見ると一目瞭然。確実に進学実績が伸びている。
「旧帝大と東工・一橋・神戸」の合計で、ここ3年間は卒業生の20%を超えている。そこに、同レベルの超難関私大である「早慶」を加えると、4年間連続で30%を超えている!
しかも、最近5年間は伸び続けているからすごいよね。
ここまでの情報を整理すれば、県立船橋高校で上位30%に入っていれば、「旧帝一工」「早慶」に現役進学できる可能性が高まるということがわかる。
そこに地元国立大学である千葉大学や私大の難関校「上理」と「MARCH」を含めると、その数は16年前と100名近くも伸びていて、割合でも今年ついに70%を超えてきた。
さらに、全国の国公立として国公立を計算すれば、269名(76%)が国公立と難関私大に進学している。これって大変なことだ。
進学志向の高い生徒が集まる中で、船橋高校の人気が全く衰えないというのも、理解できるよね。
人気があって、毎年、高い競争率の中を選抜されていることもあって、入学する生徒の学力も確実に底上げされている様子もうかがえる。
また、私大(早慶・上理・MARCH)の合格者数と進学者数も見てみると、こんな感じになった。
早慶に関しては進学率が高めだけど、他の大学に関しては年による変動もあるがそうでもない。
そして、文系のすべり止めに明治、理系のすべり止めに理科大を利用する傾向が強いと想像する。
で、パターンとしては、
「早慶で不合格➔千葉大や筑波大など国公立にシフト➔ダメなら浪人」
「早慶合格➔旧帝不合格➔浪人」
という選択もあるのだろう。(あくまで想像)
でも、ちょっと意外なのが、進学率は「早稲田>慶應」ってとこかな。就職まで考えれば、慶應の方が圧倒的に良いと思うのだが...。
まぁ、千葉県からは早稲田の方が通いやすいし、そういうこともあるのかもしれないが。
という訳で、県立船橋に進学した場合、
「旧帝一工」「早慶」への現役進学目安が上位30%。
「国公立大」「上理」「MARCH」以上なら上位75%。
これが目安になるだろう。
県立船橋高校は付属中学校のない、完全高校入学の公立高校。
私立の一貫校や県立千葉高校、東葛飾高校とは違って、入学者全員が同時にスタートした結果であることにも注目しておきたい。
これだけ見れば立派だが、下位25%(クラスで下位10名)に入ってしまうと...。
県立船橋に進学すれば全員が勝ち組という訳ではないから注意したいね。
本当は、東葛飾と比較したいんだけど、東葛飾は「合格者数」のみ公開で「進学者数」は公開されていない。
この辺の姿勢にも、両校の違いが表れているよね。
では、今日はこの辺で!