最近気づいたことなんだけど、松戸国際高校の今春の大学合格実績が、とても詳細に公表されていてすごいんだ。
これまで、合格者数は公表されてきたものの、進学数とか推薦合格数とか、詳細までの公表はなかなか行ってこなかった松戸国際高校。
どういった方針変更なのかはわからないけど、ここまで出すというのはすごいことだと思う。
何がすごいか?
各高校の「出願数」(しかも入試区分別)と「合格数」(もちろん入試区分別)がすべて公表されているんだ。
ここまで公表してくれた高校、僕は知らない。
松戸国際高校の偏差値はSもぎで「58」ほど。多くの受験生が目標にしやすい中堅上位の高校で、毎年人気が高い。
倍率が高止まり傾向にあるので、大学合格実績も少しずつ伸びてきたと言われていたが、実際のところはどうなのか。やはり英語に強く、理系は弱いのか。
それでは、注目の進学状況を見ていこう。ちなみに卒業生は309名。
まずは国公立大学。
松戸国際は単位選択制の学校だから、国公立大学を目指すなら上手に授業を選択する必要もあって、やはり国公立大学志望者は少な目かもしれない。
それでも千葉大学は人気があって14名受験。3名合格(率21%)は、決して高い数値ではないけれど、高校の入口を考えれば健闘と言えるのかもしれない。
やはり、筑波・横国あたりからは壁があるかな...。
次に私立大学。
まず著名な大学から見ていく。
MARCH以上の大学は軒並み合格率20%未満。指定校推薦を除くとさらに厳しいというのが見てわかる。
ちなみに、MARCH以上に指定校推薦で進学したのは13名。クラス3位以内を3年間キープするくらいの力が必要だろう。これはなかなか大変だろう。
せめて「日東駒専」と言う人は多いけど、志願者を大きく減らしてしまった日本大学を除けば、30%ほどの合格率だ。
「せめて日東駒専」ではなく「攻めて日東駒専」と言う方が正確だと改めて思う。
ちなみに、ここまでの進学者総数は123名。国公立を含むと132名で約42%。
指定校の利用者42名は約13%。
10年前に比べれば、かなり伸びてきているように思うけど、10人中6人(=クラス40人中24人)はここまでには入っていない。
これをどう判断するか。
コアな領域も見てみる。四工大と主要女子大、大東亜帝国。
四工大に関してはそこそこ健闘していると言えるのでは。高校受験偏差値58の文系中心の高校と考えれば十分だと思う。
女子大はどうしても受験生が集まりにくくなっていて、合格しやすいことが見て取れる。ただ、3大女子大(津田塾、東京女子、日本女子)に関しては、なかなかシビアだ。
大東亜帝国に関しては、出願数もかなり少ないようだ。それでも、平均合格率は60%未満ってことは、安全圏とは言い難い。
最後に、すべての私立大学(オレンジ帯)を見てみると、進学者数は249名、国公立の9名と合わせると、258名が四年制大学へ進学した。
この258名のうち、国公立が9名(3%)、MARCH以上が34名(13%)、学習院から日東駒専までで89名(34%)、四工大・主要女子大で25名(10%)、ここまでの累計が149名(58%)となった。
出願者のボリュームゾーンは、MARCHと日東駒専、合格者のボリュームゾーンは日東駒専だ。
「せめて日東駒専」という心理が透けて見える結果だと思うんだけど、日東駒専以上に進学しているのは、大学進学者の58%、全卒業生(309名)の48%だ。
これを高いと考えるか、低いと考えるか、それは各々の価値観で良いと思う。
だけど、「せめて日東駒専」と思うなら、「攻めて日東駒専」のつもりで一生懸命勉強して、大学進学希望者の中で半分以上の順位にいるということが目安になると考えるのが現実的な話だね。
すばらしい資料を公表してくれた松戸国際高校に感謝だ!
そして「進学校」を謳う高校には、ぜひ積極的に公表してもらいたい。